東北 八幡平の旅②

9月23日(土) 2日目 雫石、八幡平

 

 新潟はまだ真夏の気温が続いていたので、私の身体が夏体質のままだったことに気付く。

寒ぶっ! 東北はとっくに秋になっている。

気温はそれ程低くないはずだけど、夜中に我慢しきれず、テントの中でダウンジャケットの圧縮を解いた。

 

 朝、8時までに出発するつもりで、先ず朝食を済ませてから、テントの撤収に取り掛かった。

朝露で全てがバシャバシャだけれど、乾くのを待っていては出発が遅くなる。

しかたがない、そのまま丸めてバックに押し込んだ。

 

 キャンプ場を出て直ぐに皆瀬ダムがあり、そこから県道323号に入る。

湯田までは国道ではなく、敢えて県道を走り継ぐ予定で、これが最初の県道(林道)。

 

 この路、地図上では大したことない路と思っていたけれど、走っていたら急に道幅が狭くなり、怪しい感じになってきた。

出発したばかりで意気揚々と ここまで来たけれど、出だしからつまずきそうな予感がする。

 

 予感の通り、大型バイクではちょっと厳しい峠道だった。

昨日の こまち湯ったりロードより更に厳しい。

15分程度で走り抜けるつもりが、1時間近くも費やしてしまった。

 

 やっと国道342号に出る。

少し北上して、次は湯田にショートカットする県道40号。

えっ、ここも さっきと同じ感じかよ~(泣)

でも、今回のツーリングは、敢えてこんな路を選んで来ているので、走り切るしかない。

 

 やっと、国道107号に出てホッとする。

今日は、昼頃には八幡平を通過したいと思っていたけれど、既に10時となった。

先を急ごう。

 

湯田から雫石へ向かう県道1号。

ここは とても良い路だ。

平坦な のどかな田園の中を走る。

途中、コーヒーが欲しくなって、村の小さなスーパーの自販機の前にバイクを停めた。

ちょうどそこへ、3歳(三輪車)と4歳(補助車付自転車)くらいの女の子と そのおばあちゃんが買い物に来ていて、子供らに「こんにちは!」と声を掛けられた。

私も突然で慌てて挨拶を返す。

せっかく挨拶してくれた子供達に、何か気の利いた言葉を投げかけてやれない自分が少し情けなく感じた。

 

 雫石町 御所湖を通過し、国道46号で田沢湖方面へ。

国道341号に折れて田沢湖

もう正午を過ぎてしまった。

ちょっと やばいよ。

今日のキャンプ予定地である早池峰に日暮れまでに辿り着けそうにない。

見慣れた田沢湖は停まらず通過、そのまま国道341号を北上して八幡平へ向かった。

 

 田沢湖から八幡平までの国道341号は、最高に良い路だ。

森の中に敷かれたキレイな路面、気持ち良いカーブとアップダウン。

こんな路は、時間的な焦りがない状況で、もっと楽しみながら走りたかったな。

 

 2時になって、やっと八幡平アスピーテラインの起点に着いた。

 八幡平ビジターセンターの前で やっと休憩をとる。

 よし、ここからが核心部だな。

 

さすが有名景勝地、途中の眺望の良い駐車場は有料になっている。

私は昔から そういう場所に停まる気になれない。

(なので、良い景色の写真が撮れませんでした)


 八幡平は、まったりした気分で走ることを想像していたのだけれど、到着が遅くなった焦りから、アスピーテラインはあっという間に走り切ってしまった。

 途中の森の様子などを写真に撮りかったけれど、バイクを停める場所も無かったしな。

ちょっと勿体ない事をした気分になった。

 

 4時。

陽がかなり傾いた。

泊まれるキャンプ場を探さなければならない。

 

 結局、この日は予約不要の「妻の神広場キャンプ場」に滑り込んだ。

このキャンプ場、盛岡からアクセスし易いせいか、テントの張り場に困るくらい混雑していた。

 まるで何かのイベント会場のようだ。

昨今のキャンプブームは凄いな。

 

2日目終了。

 

東北 八幡平の旅①

9月22日(金) 1日目 山形、秋田、小安峡泊

 

 9月最後の週末に3連休が取れることになった。

毎年この週末は、本流で秋山女魚を狙う事が恒例なのだが・・・

 

 今年は猛暑と渇水で、先週もホームの本流に行ってはみたけれど、魚の気配が感じられなかった。

こんな状況で、貴重な3連休を釣りに費やして後悔しないだろうか・・・

 

ならば、今回は以前から温めていた八幡平へのキャンプツーリングに思い切って出ることにしょう!

 

 1泊で行ける秋田 田沢湖までは、過去何度も海岸沿いを走って行った事はあるけれど、いつかは 本州のど真ん中の山々を縫って、八幡平まで走りたいと考えていた。

もちろん、効率良く走れる国道を主な行程にするのではなく、県道や林道を走り、いままで見たことのない景色や渓流を巡ることが目的です。

 

 朝6時、出だしから雨模様。

雨具を着て家を出た。

雨雲の動きからすれば9時頃には止むはず。

少しの間 辛抱しなければならない。

 

 国道113号を走り、山形 小国に入る頃には雨も上がり路面が乾き始めた。

低かったテンションが少しだけ持ち直す。

飯豊町から県道で長井→白鷹を通過。

ここで、雨具を脱いだ。

寒河江から国道347号で尾花沢へ。

ここからは始めて走る県道29号だ。

途中の最上町 赤倉温泉で休憩。

 

 曇天で気分はまだイマイチだけど、小さな温泉街の広場に咲く秋の花々に 気分がほぐされる。

 温泉街を流れる小国川上流にある最上小国川流水型ダムへ寄り道。

「流水型ダム」って何ぞや?

見た目では形式の違いが分かりませんね。

 ここも渇水のせいか「流水」(放水)していなかった。

 

 再び県道28号を北上し、国道47号で鳴子温泉へ。

走っていると風に乗って温泉の良い匂いがする。

ちょっと旅気分になってきたぞ。

 

おっと! 鳴子ダムへ向かう国道108号(仙秋サンライン)の入口を通り過ぎてしまった。

Uターンして2Km程戻る。

私はナビを使わないので、こういう事は慣れっ子です。

 

 鳴子ダムに寄り道。(写真撮影用の枠を利用)

 さっきのダムに比べたら、大規模なダムだね。

 

 国号108号を北上中に寂れた食堂で昼食。(しょうゆラーメンがしょっぱかった)

食堂を出ると、強い日差しが降り注ぐ晴天となっていた。

 

 もう少しで秋の宮温泉。

そこから、いよいよ1日目のメインイベント、県道310(こまち湯ったりロード)となる。

 

 「ゆったりロード」の名とはほど遠く、道幅は狭く路面は荒れている。

交通量が少ないせいか、路面が枯葉で覆われていたり、日陰は苔が生えていたり・・・ 

最も注意が必要な路だ。

 この路は、今 走って来た国道108号の秋の宮温泉と国号398号の小安峡を橋渡しする。

地図上では五つの山頂をかすめ、火山(川原毛地獄)あり、渓流(高松川)あり、湖(桁倉沼)ありの、私にとっては走ってみたかったローカルな路なのです。

 

  速度が上げられないせいか、なかなか進まない。

予想の2倍 時間が掛かった。

やっと、川原毛地獄に着いた。

 強い硫黄の匂いの中を走り、青白い池(温泉)を通過。

 ここから少し高度を下げた所が泥湯温泉となる。

 ここはローカルな所なので、規制などが緩いのでしょうか。

道路の直ぐ脇から蒸気が噴出していますが!!

これで危険はないのでしょうか?

う~ん、ワイルドだろ~!

 

 高松川の流れと共に渓を下り、桁倉沼を通過。

この路はそれ程 距離があるわけではないが、いろんな要素が盛り沢山で疲れてしまった。

でも、ここまで来れば、今日のキャンプ地が近いはずだ。

 

 今日のキャンプ地は小安峡の「とことん山キャンプ場」。

このキャンプ場は、場内に利用者専用の温泉施設を完備している。

さっきの川原毛地獄や泥湯温泉とは泉質が異なるけれど、キャンプ場の中の温泉施設としては非常に良かった。(入浴料はキャンプ場利用料に含まれている)

湯治したいくらいのキャンプ場です。

 

 人気のあるサイトを避けて、人の気配のない静かな場所にテントを張った。

1日目が終了。

バイクでフライフィッシング!

9月1日(土) 魚野川水系の渓流

 

 今日はバイク仲間のY君と9:30に待ち合わせ。

お互いの休日が合致することが少ないので、夜勤明けの彼に合わせて遅い出発となった。

 彼とは もっぱらバイクとキャンプの話題ばかりで、今まで私の方からフライフィッシングの話を持ち出す事はほとんど無かった。

しかし、最近彼は行く先々の渓流に魅力を感じるようになり、フライフィッシングを始めようと思い立って、タックルを一式揃えたという。

事前にタックル選びについて少し相談は受けてはいたけれど、こんな短期間に一式揃えるなんてビックリした。

という訳で、初のバイク2台でのフライフィッシングは、彼のお気に入りの魚野川水系の渓流とした。

 

 目的地に到着。

お互いのバイクを並べて先ずは昼食とする。

そして、いよいよ釣りの支度に取りかかった。

 

 魚野川水系らしい茶色い巨岩がある渓流。

Y君、初心者なのに姿はもうベテランに見えるね!

 今日、私はガイドに徹するつもりだったけれど、先に釣れちゃったものは仕方がない。

幅広でいい山女魚。

Y君、どうだい!

 今度はY君の番だよ。

できれば初の一匹を手にして欲しい。

 

 You Tubeを見てイメトレして来たとのことだけど、それにしては初心者らしからぬキャスティングだ。フライはしっかりターンオバーしている。

恐るべしY君、これからが楽しみだね。

 

 彼がいつも橋の上から見ていたというポイント。

渇水ではあるけれど、このエリアでは一番魚が居そうなポイントだ。

ここで是非とも魚を掛けてもらいたい。

先ずはエルクヘアカディスをキャスト。

最初からしっかりターンオバーして流れの筋にフライが入った。

 ドリフトの後半ドラグが掛かり、フライが止まりかけた瞬間、大きな水しぶきが上がった。

来たあ!

思わず私が声を上げる。

Y君にしてみれば、初めてのライズ。

アワセられない。

よし、もう一回。

数投後、またいいスポットにフライが入る。

フライが着水して直ぐにまたライズ。

岩魚ならフッキングしていたかもしれないタイミングだったけれど、相手は山女魚だ。またスッポ抜けた。

 3回目は無いので、フライを交換するようアドバイス

今度は私の巻いたテレストリアルパターンを結んだ。

 

 またいい筋にフライが入った。

一回目と同じタイミングでライズ!

同じ魚だ。またスッポ抜けた。

 

 私もフライを始めたばかりの頃を思い出した。

ライズを見た時のこの興奮を。

 

 今日は魚を手にする事はできなったけれど、シーズンオフまでにはきっと結果が出せると思う。

 

 帰り道は私が気になっていた県道を走る。

途中のスキー場で小休止。

 思いかけず、すばらしい眺望に出会った。

出始めのススキが西日に輝く。

これから いろんな冒険ができるかな(期待してます!)

では。

避暑の釣り、猛暑の影響がこんなところに。

8月29日(火) 小渓流

 

 午前中に用事を済ませて、午後は避暑の釣りとする。

山岳渓流は時間的に無理なので、こうい時は車から直ぐに入渓できて、日に照らされない 森の中を流れる渓流がいい。

 

 道中の気温は35℃。

もう9月が目前なのに、いつになったらこの猛暑が終わるのだろうか。

 

 目的の渓に到着。

早速、釣り支度をして流れに向かって斜面を駆け降りた。

 流れは思っていたよりも冷たい。 はあ~

減水のため、いつもよりポイントが限られているけれど、こういう時こそ ゆっくりと丁寧にピンスポットにフライを入れて行こう。

 

 早速、白泡の切れ目でフライが吸い込まれた。

23cmくらいかな。コンディションは悪くなさそうだ。

 夏の小渓流には付き物ののアブやクモの巣も無くて至って快適。

時々、上流の森で冷された空気が降りて来て、ほてった身体を癒す。

 

 流れの早いポイントで22cm程の岩魚を2匹追加。

順調に釣り上がる。

 

 目の前に水深のある淵が現れた。

ここには大物が入っているような気がする。

先ずは遠くからアプローチ。

慎重に一歩づつにじり寄り、徐々にフライを奥に落とす。

その時、右足に違和感が。

 

 えっ、 

緊急事態発生!

しばし呆然・・・

 先週の釣行後、このシューズを軒下に一週間吊るしっぱなしにしていた。

(時間帯によっては直射日光が当たる場所)

きっと、これが原因。 熱で接着剤が弱ったのだろう。

猛暑の影響がこんなところに。

 

 さあ、どうしようか・・・

ここまで来て釣りを止めたくないし。

どうにか出来ないか持ち物を探る。

 

予備の新品リーダー。

だが、次のポイントに行き着く前に脱落してしまった(泣)

 

 次の策。

 くるぶしから上の靴紐を解いて巻き付けてみた。

ちょっとはマシかな?

 

  こんな事態の時に、追い打ちを掛けるかのように大粒の雨が降り出した。

靴紐で細工している時は透明だった水面が、一瞬にして擦りガラスの様に霞んだ。

 今この地域に危険な雨雲は無いはず。

なので、この雨雲が通り過ぎるまで少し待つことにしよう。

きっと、この雨の後は岩魚の活性が上がるはずだからね。

大きな老木の下で、ひとり 足元を見ながら雨雲の通り過ぎるのを待った。

 

 辺りが明るくなり始めた。

さてと。そろそろ行くかな。

 

やっぱり岩魚の活性が上がった。

いきなり、サイズアップ!

#2 7’3’’の自作ロッドをぐいぐい曲げた岩魚。

 この調子でドンドン行こう。

とっ、その時、今度は左足が!

 結局、こうなっちゃいました!(泣・泣)

 

 上流に魅力的なポイントが見える。

取り敢えず、あそこまで歩いてみるかな。

 

やっぱり釣れたよ。(泣笑)

でも、この状態では完全に戦意喪失。

フェルトが完全に脱落したら、帰りが更に危険になるので、今日は泣く泣くここまでとする。

あ~あ、このポイントも釣りたかったよ~~・・・

では。

諏訪・木曽・飛騨・有峰湖の旅③

8月3日(木) 有峰湖、富山

 

 三日目。

 目が覚めて窓から外の様子を伺う。

駐車場に停めてあるVストロームに異常はないかな?(大丈夫)

夜中に通り雨があったのか、アスファルトが黒く濡れている。

視線を上げると朝日に映える薬師岳(たぶん)がひときわ目立っている。

今日も良い日になりそうだ。

 

 この有峰湖が最終目的地なので、今日はこの周辺をゆっくり散策してから帰ることにする。

先ずは100名山 薬師岳の登山口である折立まで行ってみる。

有峰湖を見下ろしながら高度を上げる。

舗装道路の終点は登山客用の大駐車場となっていた。

昨日は車をほとんど見なかったのに、いつの間に こんな多くの車が来ていたのだろう。

もう既に登山に来た人々は駐車場にはいなかった。

 

 再度ダムの展望台へ。

 湾曲したダムの上。

 

 次は湖に注ぐ渓流をチェック。

昨日、橋の上からチラ見して、良さそうだった3、4本の流れを再度見て回ろう。

 

 絶対ここには岩魚がいる。

湖がダメな時は、ここでドライがフライが楽しめそうだ。

 

 一通り流れを見て回った。

これだけの渓流が注いでいれば、湖にも必ず岩魚がいるはず。

 

 事前に目を付けていた湖畔のキャンプ場を覗いてみる。

駐車場には管理人の車が一台のみ。

一応管理人に声をかけて場内に入った。

背の高い広葉樹の森をフリーサイトにしてあるキャンプ場だ。

誰もいない。

岸際はどんな感じかな。

岸に向かって歩いて行くと急に視界が開けた。

 

正面の景色。

左手の景色(ダム方向)

右手の景色。

 フライフィッシングをする私にとっては とても良いキャンプ場を発見!

テントサイトから直ぐフライキャスティングが思いっきり出来る環境のキャンプ場は滅多にないからね。

ここで、2泊くらいすれば、この湖やさっきの渓流で存分にフライフィッシングができるぞ!

ここへは釣り道具を持ってまた必ず来ると決めた。

 

 次は、大多和峠へ散策。

この林道も行き止まりになっているので車は皆無。

いつもは気にならない 「熊出没注意」の看板が今は気になっている。

特にブラインドカーブでは、それとハチ合わせにならないように速度を落とした。

 

 林道終点の案内板。

 気温は26℃。気持いい。

あゝ、帰りたくない~っ。

 これで、最深部に到達した。

今回のツーリングはこれで大満足だ。

そろそろ、富山に向かおう。

 

 有峰湖から富山に向かう林道は2つある。

有峰林道「小見線」と「小口川線」だ。

さあ、どっちを走ろうか。

常備しているルーペで地図を凝視した結果、小見線はトンネルが多いので、祐延ダムも通過する小口川線を走ることにした。

 

 祐延ダム貯水池。

なかなかの眺望。

ここにも岩魚が居そうだよ。

 そして長い林道を延々と走る。

バイクを跨ったままで、写真を撮ろうとして、おっとっと!

バランスを崩して立ちコケしたら、150mの崖を真っ逆さまに落ちるところだった。

後になって危ない事したなと反省する。

 有峰林道の最後のダム。

小口川ダム。

ここまで来ると標高が下がり気温は32℃となった。

ここから富山に出て、新潟までは炎天下のツーリングだな。

 

 富山の平地は気温37℃となった。

あとは事故と熱中症だけを注意する。

はあ~、はあ~、はあ~ 耐久・・・

 

 親不知の崖の上から海を見る。

今年一番の青。

 

 渓流と湖を巡る自分だけの旅が終わった。

では。

諏訪・木曽・飛騨・有峰湖の旅②

8月2日(水) 諏訪、伊那、木曽、野麦峠、飛騨、有峰湖

 

 二日目。

夜半に雨は上がり、出発の午前7時には穂高の路は乾いていた。

森の中を走る路はまだ涼しい。

出だしは快調!

 

 今日は先ず、諏訪湖に向かう。

諏訪湖は通過点であり、本日最初の目的は諏訪から伊那 美和湖までの国道152号を走ること。

松本で朝のラッシュにハマらないように安曇野ICから高速道路に乗った。

 

 諏訪湖SAで一休み。

今日も暑くなりそうだ。

 諏訪ICで高速道路を下りて国道152号に入る。

思っていた通りの良い路。

交通量が少なく、のどかな雰囲気の快走路だ。

約30Kmの距離をあっという間に走り抜けて伊那市 美和湖に着いた。

 

 美和湖からは国道361号に折れ、木曽方向に向かう。

伊那の市街地を抜けた辺りで、対向車がパッシングした。

いかにも張っていそうな郊外の直線道路だ。

制限速度で様子を見ていると・・・やっぱり。

ネズミ捕りをやっている。

セーフ!

パッシングをくれなかったら、捕まっていたかもしれないな。

 

 いよいよ木曽街道。

ここからが過去来た事のない地域で、今回のツーリングのメインとなる。

 

木曽街道(国道361号)は、交通量が多く常時 前方を車で塞がれていた。

さっき走った国道152号の後では、何だかイメージ(快走路)していた路と違っている。

ダラダラ走って特に印象に残る景色もなく高根乗鞍湖に着いてしまった。

 ここから県道39号に入り、野麦峠へ。

 徐々に高度が上がり、森が深くなる。

道幅は狭くなり、路面も荒れて来た。

砂利で滑らないように神経を集中。

だいぶ走って少し疲れてきたところで峠に着いた。

 

 「あゝ野麦峠」という映画のおかげで、こんな山奥も昔は一大観光地だったのだろう。

広い駐車場に今は廃墟となった資料館が建っている。

その他には営業しているのか どうか分からない寂れた茶屋が一軒あった。

その前にバイクを停めてみた。

どうやら一応 営業しているみたい。

ちょうど昼飯時なので、ここで蕎麦でも食べてみよう。

 この茶屋も昔は観光バスで来た観光客で賑わっていたのだろう。

今はこの峠で営業している施設はここだけのようで、潰れた資料館も兼ねているのか、建物の中には製糸工場に出稼ぎに出る少女の写真等が展示してあった。

 食堂に向かう通路の途中で、横の小部屋を覗いて見たら、三体の出稼ぎ少女のろう人形と目が合い、一瞬ドッキとした。(リアルで怖かった)

 

 大きな食堂は、貸し切り状態で、テレビから「あゝ野麦峠」が終始流れている。

子供の頃にこの映画を見た記憶が有るけれど、当時から ず~っと上映しているのか?

昭和にタイムスリップした感が凄い場所だった。

 

 峠付近の景色。

 

 次は県道26号で梓湖。

 次は国道158号上高地方面へ。

 

中の湯温泉を通過。

安房峠道路(トンネル)を出たところ(平湯温泉)で、左に黒い雨雲が見えた。

一旦停車して雨雲をチェック。

1km離れた所でかなりの降雨となっている。

水分補給している間にも雨の匂いがして来た。

この雨雲をやり過ごしてから出発するか、或いはすぐに発進して逃げ切るか。

さあ、どっちにしよう。

数分悩んだ結果、すぐに発進して国道471号で飛騨方向に行けば雨雲から逃げられると判断。

私と同じようにスマホを見て考えているライダーに「お先に!」と言って手を挙げた。

 

 しばらく走り、濡れる心配がなくなった所で休憩。

ちょうど、フライフィッシングで有名な高原川に来ていた。

この時期としては、他の川とは違い水量が豊富だ。

やっぱり、いかにも魚が居そうだな。

と思いながら川を見ていると、さっき挨拶して置いて来たライダーが雨具を着て通り過ぎて行った。

あのライダーはやっぱり濡れたみたいだね。

 

 浅井田ダムから高山大山林道、そして有峰林道へ。

有峰林道は有料道路のはずだが、林道入口の料金所は無人

じゃあ無料で行っていいのか?と思いながら通過したらバックミラーに私を追いかけて来る管理人の姿が。

入口をだいぶ過ぎた路上で500円を支払った。

 

 

 午後4:00 少し日が傾き始めた。

観光地ではないので車の通行は皆無。

手付かずの深い森が広がる。

予想以上にスケールが大きくダイナミックな所だ。

秘境感が半端でない。

ここを今回のツーリングの最終目的地にして良かったと思う。

 

午後5:30 有峰湖に到着。

 有峰湖周辺の散策は明日とする。

 

では、三日目に続く。

諏訪・木曽・飛騨・有峰湖の旅①

8月1日(火) 仁科三湖、大町アルペンライン、龍神湖、安曇野穂高

 

 ちょっと早めの夏休み。

久し振りに2泊のロングツーリングに出る。

泊でのツーリングは一昨年の北海道以来か。

 

 今回は、猛暑と雷雨から逃れられない事は覚悟の上だ。

正に耐久ツーリングになると思う。

まあ、事故や転倒さえしなければ、バイクがいくら汚れても後で丁寧に磨いてやれば元に戻るから、それだけは気を付けて行こう!

 

 朝5時出発。

夜中に降った小雨で路面は半乾の状態。

所々の轍の水溜まりを避けながら海岸線を西に走る。

視界は悪くないけれど、薄曇りで波も無く、空と海の境のないコントラストに乏しい景色。

なんだか物足りないな。

 

 国道8号の道の駅「うみてらす名立」で休憩。

いつのまにか青空となり、ギラギラの日差しが照り付ける。

バックの中から冷水の入った1リットルのボトルを取り出して、外のペットボトルを再び満たした。

 

さあ、長野に向かう国道148号へ向かおう。

 

 長野県へ入り、小谷の辺りで国道を一時外れて姫川に架かる橋の上から川見。

 国道に戻り、仁科三湖の一つ青木湖へ。

 次はすぐ隣の中綱湖。

 このまま国道148号を走って諏訪湖で泊まるのが順当であるけれど、一日目の宿泊地は敢えて穂高にした。

それは、これまで走った事の無い木崎湖の裏側(県道325号)と大町アルペンライン、龍神湖(大町ダム)を巡るため。

 

 交通量の多い国道を外れ県道325号へ。

標高は1000mくらいであろうか、気温は一機に26℃となった。

やっと、自分だけのツーリングが始まった気がした。

 

 大町アルペンライン(県道45号)に入る。

この道路は黒部ダムに向かう行き止まりの道。

高原の様相。 爽快。

さすがに、黒部ダムに向かうトロリーバスの乗り口周辺は、平日にも関らず駐車場はほぼ満車。

そう、こういう場所は他人に任せて、私は人の気配のない所を散策するよ。

停車もせずに引き返し、途中の龍川へ。

 そして、龍神湖(大町ダム)。

 珍しい水色。「龍神」と云われる由縁があるのかな?

 

 遠くの雷鳴が徐々に近づいて来る。

本当はここでゆっくり休憩したいのだが・・・

スマホで雨雲をチェック。

今から穂高の宿に向かえば何とか雨雲から逃げられそうだ。

 

 国号148号とほぼ平行に走る県道306号で安曇野へ。

次に県道327号を登る。

脇を流れる糠川。

安曇野」ってこんな渓流をイメージするよね。

白い岩、サイダーの様な流れ。(手ですくって飲みたい!)

 

 急いで走って来たので、予定より早く午後3時に宿に到着。

部屋に入った瞬間、雷と共に大きな雨粒が窓の外のブナの葉を叩いた。

俺のVストロームは車庫に入っているから どんなに降っても安心だよ。

 

では、二日目に続く。