救いの一匹。

 9月19日(土) 大バラシの挽回

 

 リトリーブしているラインの12フィート先で水面が大きくえぐられた水音と共に白い水しぶきが上がった。

その直後、14フィートのロッドがバットから曲がる。

瞬間的に投げ出したランニングラインが勢いよく出て行く。

全て想定通りだ。「今度こそバレんなよ!!」

 

 金曜日の晩。

この降り方からすると、たぶん明日はダメだな~。

でも、ラストスパートだ、朝の様子を見てから決めよう。

目覚めて直ぐにPCを開けて、累計雨量、ダム放水量、河川ライブカメラをチェックする。

ああ、こりゃダメそうだと気が抜けた。

ゆっくり朝食を済ませてコーヒーを淹れた。

PCの画面にはこのブログへコメントが来ている知らせが。

コメントはnoniさんからで、私の前回記事「大バラシ」へだった。

その内容はバラシ連発の私への励ましと思えるコメント。(noniさん、ありがとうございました)

このコメントを見たら、「ここで諦めるのは俺らしくない。今年始めたブログの最後をバラシネタで終われせるほど格好悪ものはない。今日も行く。」と決めた。

 

 昨夜の雨で気温は下がり、薄手のシャツが頼りない。

朝露の重みで頭を垂れたツユクサが弱々しいが、やっぱり来て良かったと思わせたくれた。

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 水量は思った通り増水しているが、濁りは問題無い程度で釣りは出来そうだ。

先ずは前回の大バラシのポイントへ。

前回出た対岸は14フィートでも厳しい、射程距離ではあるが、思ったようなスウィングが出来ない。

フローティングラインで流した後、クリアインタミティップで再度流したが反応は無かった。

 

 反応が無いまま午後の部へ。

残り少ないシーズン、結果を出さなければならない。

 依然、水量が多くスウィングの釣り難しいので、リトリーブの釣りに切り替える。

神経を集中する。いつでも来い!

 

 正しく渾身の一匹。救いの一匹。

サーモンフックが下顎にガッチリだった。

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 ネットに治めたのは欠けや傷のない綺麗な虹鱒だった。

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俺も少しはフライフィッシングの事が分かってきたかな?・・・

大バラシ。

9月16日(水) 本流で秋山女魚を狙う

 

 今年から始まった働き方改革、年間5日の有給休暇を取らなければならない。

会社としてもこれを怠るとペナルティーが科せられるらしい。

そのため先日 総務課から休暇消化が進んでいない者へ指導があった。

私はその対象者になった訳である。

会社の方から休めとのご指示だ。大手を振って休める。

職場の人たちには会社からご指導が有ったことを十二分にアピールした。

 

 という事で、今日は有給休暇消化の日。

 

 稲刈りが最盛期になる頃、山女魚は荒食いなのか、産卵前で気が荒くなっているのか 分からないが、いずれにしろ尺上に出会えるチャンスが最も高まる。

ここ15年くらいはシーズン最後の2週間は本流山女魚を狙って来た。

今年も恒例の大山女魚 狙いで決め込む。

ロッドは12’6’’のダブルハンド1本。リールは1個。サーモンフックのウエットのボックス1個しか持って行かない。

このスタイルは過去の教訓から成ったもの。この時期は魚の数も減り、活性も決して高くない。

つい、番手を下げて魚信を得ようとする。

すると、ドッカン!と来て終わり→(泣)というパターンを何度も経験してきたからだ。

敢えて選択肢を断っている。

 

 車を降りると、騒がしかったセミの声が コオロギの優しい音に置き換わった。

流れは秋らしく濁っているわけではないが少し茶緑。

私の中では流れがこの色になるとシーズンも大詰めというイメージである。

 

 水の通りが良い対岸のえぐれはブッシュが張り出し、いかにも大物が付きそうな一級ポイント。

ブッシュの際ぎりぎりにフライを着水させ直ちにスウィングさせる。ある一定のスウィング速度に大物は食欲の有無に関係なくアタックしてくる。

手前から徐々にラインを出していき、そろそろか。来い!

フッと重みを感じる。珍しく水面には何の変化も無いが間違いなくくわえた。

ぐんとロッドが曲がる。

くわえた時の衝撃が少なかったので、めったにしない追い合わせで確実なフッキングを図る。

今度は魚が走る番だ。

ここでラインを出し惜しみしては絶対にダメになる。

バレる時はほとんど一発目のファイトであることは十分承知している。

ランニングラインはスムースに出て行き何とか止まり、魚は頭をこっちに向け、

流心深くに落ち着いた。

ラインは一直線に流心に突き刺さり、水流でブーン、ブーンと音を出している。

その状態でジリジリと寄せる。

ランニングラインをリールに収めた。

これで、こっちが主導権を取った。

君をネットに治めるために 今シーズンは20回以上も通ったんだ! バレるなよ!

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今日のブログを飾る写真は大山女魚だぞ!と頭を過った時、魚は頭を振り下流へカーブしながら15ヤードほどまた走った。

リールのドラグ調整はベスト状態。

しかし・・・

水流を受けたラインでロッドは曲がったままだが魚信が途絶える。

ロッドがゆっくり、且つ静かに元に戻った。

 

 何に否があったのか最初からの行動や動作を頭の中でリプレイするのに数分掛かった。

今回は私の動作に問題は見当らない。

強いて言えばフッキングが浅かったくらいか?

 

 今日はこのバラシを挽回しようと約10時間、川に入っていたけどアタリは後にも先にもこの魚だけでした。

 

 他人のバラした話など うさん臭いと思われますよね。

それは承知しておりますが、今シーズンはバラシを連発しているので、気持ちを整理するために書かせてもらいました。

魚の写真はありませんが、お花の写真で気分転換をどうぞ。

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深い森の中で。

9月12日(土) 深い森の渓流

 

 今日はnoniさんと今シーズン 増水や大雨でやむなく途中退渓した源流を納得いくまで釣り上がる予定。

集合場所の道の駅にはお互い定刻より15分も早く到着した。(気合十分)

しかし、車から降りると酷い強風である。

低気圧から伸びる前線がしばらく停滞する模様。

この強風では、そこは吹き下ろしの風でフライフィッシングが成立しないのではないか? と意見が一致する。

今日もまたダメか。 急遽行先変更とする。

森を流れる渓流に車を走らせることに・・・。

 

 未舗装の林道を走る。

昨夜の雨で所々にできた幾つもの水溜まりやぬかるみを低速で通過する。

気温22度 その先には爽やかな初秋の渓があった。

 

noniさん今日もいいループ出してるね。

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木漏れ日が淵を照らす。

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平瀬で山女魚がnoniさんにヒット!

初秋だというのに木々は勢いが残っていかの様に輝いている。

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 前に進む度に魅力的なポイントが続き、そこからは適度に反応がある。

今日はこの渓に来て大正解でしたね!

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 次のポイントは流れが岩盤にぶつかってできた大きなプールだ。

プールの底には枯葉や木の実が堆積している。

ちょっと流速が足りない気もするが、今度は私がキャストする番だ。

#3ラインを目いっぱいリールから引き出しロングキャスト。

若干のフォローウインドウで想いのほかリーダーが伸び#14のテレストリアルを模した黒いパラシュートが綺麗にターンオーバーした。

 ここぞ! といタイミングで水面が盛り上がる。

会心のヒットだ。

広く、深いプールで抵抗する魚を無駄に時間を掛けて寄せた。

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 いい山女魚!

キャストから一連の動作が上手くいって大満足の一匹。

 

今日は時間が許す限りこの渓で遊びましょう!

 

どこまでも渓は続き胸はときめく。f:id:kazemoriharumiti:20200912211719j:plain

 

バイクとフライフィッシングの週末


9月5日(土) シルクロードで早出川ダム

 つい先日まで田んぼは一様に緑一色だったのに もう稲刈りが始まった。

阿賀野川の土手からは平野の田んぼが見渡せる。

3割くらい刈られているだろうか。

黄金色の区画と刈られて土色になった区画を見て、タイルが剥がれた我が家の浴室の床が思う浮かぶ。

早くタイルの補修もしないとな。

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稲の匂いはとても落ち着く。

敢えて農道を走り深呼吸を何度もして、身体に秋が来とことを知らせる。

 

私のちょい乗りの定番、早出川ダムへ。

山肌も深い緑から若干黄色味が入ったような気がする。

ここは新潟市から1時間程度なので、私のようなおっさんライダーが入れ替わりで訪れる。

近くにホンダCB400Sのおっさんがいたが、お互い見て見ぬふり。

きっと、自分と同じように「いいバイクですね!」と声を掛けるタイミングを図っているのだろう。

結局最後まで見て見ぬふりしてヘルメットを被った。

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帰りは私の林道の原点、哺土原線で杉川、仙見川を通る。

かなり渇水しているが流れは清らか。

次にバイクに乗る時はきっと紅葉しているのだろうか。

季節が巡る速度が過ぎる。

 

9月6日(日) 渓流

 noniさんが開拓した渓に行く。

過去何度かこの渓の林道を走っていたので、川の存在は知っていたが谷が深くフライフィッシングは厳しいと思っていた所だ。

川に降りてみたら、今まで想像していた渓相とは全く違っていた。

広葉樹の大木が川を守るように覆いかぶさっているが、適度な川幅がありとても良い。

なんて良い渓なんだ。

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振り始めて直ぐに良型の山女魚がnoniさんへ。

今日は尺上が出るかも(笑)。 とお互い意気込む。f:id:kazemoriharumiti:20200907194722j:plain

しかし、渇水の影響もあってか、その後は渋かった。

私は小さな山女魚2匹と岩魚1匹止まり。

今シーズン、ラインシステムを色々試していたnoniさん、今日のループはとてもいい感じだ。

技術的に数段先を行っている。

釣果もやっぱり差が出てくる。

何事も一生懸命やった人にはかなわないね。

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この渓は居るだけで気分は穏やかで晴れやかだった。

来年はもっと上流まで行ってみましょう。

入道雲を避けて。

8月30日(日) 朝日スーパー林道

 

 日曜日は町内の公園掃除の当番で朝一からの行動(遊び)は諦めていた。

そうだ、久しぶりに夜勤明けで寝起きの遅いであろうよっちゃんに声を掛けてみるかな。

昨年からよっちゃんが行きたいといっていた朝日スーパー林道はどうか?と。

 

 集合場所の道の駅へは私が先に着いた。

あまりの日差しに耐えかねて、バイクを置いて日陰でよっちゃんを待つ。

時間ちょうどによっちゃん登場!

直ぐの駆け寄り、ヘルメットを脱ぐ間を与えず「すぐ発進しよう!」と言って私もヘルメットを被る。

今日夕方は積乱雲による局地的な雷雨が予想されているため、夕方遅くならないうちに平地に戻りたい。

 

 三面ダム下流三面川本流。朝日スーパー林道はここから始まる。

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林道に入ると一気に気温が下がり快適に走行。

猿田ダムの手前の発電所で写真撮影。

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猿田ダム付近の通行止めゲートまで行ってから奥三面ダムへ。

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ここまで来ると、日向でもジリジリこない。

風は爽やかで、いかにも山深い雰囲気が味わえる。

ダム湖の最奥まで行きランチとした。

 

 近くを入道雲の細切れが足早に通過する。

 時間も空模様もそろそろ限界かな。

コーヒーを飲むと直ぐダムを後に。

帰りは先日見つけた胎内の絶景をよっちゃんに紹介する。

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観光に来た何処かのおやじの様なよっちゃん。

この景色を見て果たして喜んでくれたのだろうか。

 

さあ、入道雲の親分が来る前に帰ろ。

 

 

 

 

シルクロード復帰! 鈴ヶ滝、鳴海金山を目指せ。

8月22日(土)

林道鈴川鈴谷線(鈴谷川、鈴ヶ滝)

林道平床線(平床川、鳴海金山)

道元屋敷線(高根川上流)

その他 高根川支流(天蓋川、大向川、荒沢川)

 

 我がシルクロード、前回ツーリングで発生したヘッドライトのヒューズ切れトラブル、比較的軽度の処置で復調しました。

修理費用は6,000円。思ったより安くて助かった。

この修理と同時にエンジンオイルも交換し、車体もピカピカに磨いた。

これで最高に気持ち良いツーリングが出来るだろう。

 目指すは、新潟県村上市 三面ダムから山形県鶴岡市に抜ける有名な朝日スーパー林道の中間地点に位置する鳴海金山(ゴールドパーク)だ。

朝日スーパー林道は、もう何年も土砂崩れやその改修工事などで全線が貫通していないため、鳴海金山へは高根方面からの林道を使ってアクセスする予定だ。

高根方面は高根川を本流とする支流が多くあるので、釣具持参で散策も兼ねる。

 

 海岸線で北上し、関川村 荒川の河口付近で一休み。

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 今日の天気予報では気温32℃。

少し霞んでいる朝の景色。

 

 荒川を渡り、少し走ると畑は追肥の時期なのか、肥しのスパイシーな香りの波状攻撃で鼻が曲がる。

 

 村上市に入り高根川に沿って走る。

今日走行を予定している各林道の分岐点に到着。

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先ずは鈴谷川の入渓ポイントを探索しつつ、日本100名滝「鈴ヶ滝」を観光する。

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写真では滝のスケール感が伝わらないが、これで落差55メートルとのことです。

注)滝壺まで行けるようですが、私はここの見晴らし台で断念。

ここまで登山道を片道約15分歩き、汗びしょびしょ。アブとブヨがブンブンでした。

 

 滝の下流は静かな渓流。

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 次は一旦先ほどの分岐点に戻り、林道元屋敷線で高根川本流を遡る。

地図上では川に沿って林道が有るけれど、谷が深くて川の様子が分からない。

砂利道をかなり走行したが、川を見る余裕もなく土砂崩れで終点。

また、分岐点まで戻る。

今度は本命の林道平床線(平床谷川上流)から峠を越えて朝日スーパー林道にアクセスして鳴海金山(ゴールドパーク)を目指す。

こちらの林道は舗装されており道幅も広く走り易い。

ぐんぐん高度が上がる。

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 薄曇りとなり嘘のように涼しくなる。寒いくらいだ。

晴れていれば、どこまでも折り重なる尾根が見えるのだろう。少し残念!

鳴海金山に到着。

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 ここは時々、ローカルテレビで取り上げられていたので、観光地と思っていたが、私のイメージとは全く違っている。

この看板の先に何か施設等が有ると思っていたので、実は通過してしまい、山形県境まで行ってから気が付いて戻ってきたのです。

人気が全くなく寂れている。何だか薄気味悪いようにも思ってしまう程だ。

入り口からパーク内を少し覗き込んで立ち去ることに。

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来た道を帰る途中で昼食。

おにぎりをほうばりながらシルクロードを眺める。

しかし、こんな小さなエンジン、車体でこんな所までよく走って来たなぁ。

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 帰り道は高根川支流の天蓋川、大向川、荒沢川をある程度まで遡っては見たものの、アブとブヨの猛攻撃で結局 川に入ることはなかった。

まぁ、今日は高根川のほぼ全域を見て回ったので、それなりの達成感は有る。

良し!としよう。

 

秋がそこまで来ています。

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グローブしててもイタタ!

 

クールダウン

8月15日(土)

 

 お盆休みも後半。

ロングツーリングの余韻を残しつつ 前回行った渓へ再びnoniさんと各々の車で向かう。

前回は増水、低水温の状況のせいか魚の出がイマイチだったけれど今日は如何だろうか。

この渓は標高もあり、尚且つ雨模様のため、私には心身共にクールダウンするにはちょうどいい。

 

 渓は霧雨で薄く煙っていた。

でも水量、水温共に前回よりは良さそう。

川幅がある場所は両岸に分かれて同時に釣り上がる。

前回より格段に魚の出がいい。

フライを思う所に落すことができれば高い確率でくわえてくれる。

ただ、今回はフライをドリフトさせるよりも落ち込みや巻き返しにフライを浮かせてじっくり見せた方がいいようだ。

 

ポイントから 距離をとり、タイトループでフライをプレゼンテーションするnoniさん。

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 私のキャッチした岩魚。

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釣り始めて2時間くらいか? 雨が強くなってきた。

この調子で遡れば大物の可能性も十分ありそうだが、ここは大人の判断で川を上がる。

この渓はこれからもいろんな事を教えてくれそうだ。