目覚めの虹鱒

3月5日(日) 本流

 

 朝から快晴。

日差しが眩しい。

長かった冬が終わり、やっと春が来たのか。

 ネコヤナギもやっと小さな蕾を付けた。

 雲一つ無い青空は何か月ぶりに見るだろうか。

この時期は花粉の飛散も酷いので、気を付けながら小さな深呼吸を一つした。

 

 雪代が出るには未だ早く、流れはひたひたで、日に照らされた川底が黄色く見えている。

ここで重いフライを流したら直ぐに根掛かりだ。

一旦開いたラビットゾンカーのボックスを閉めて、フェザーウイングのボックスを取り出した。

 

 いつもより小さめのフックを選択。3Xのティペットに結んだ。

 

日差しがただただ気持ちいい。

静かな流れにゆっくりフライをスイングさせる。

 

ドスッ!

リトリーブし始めにタイミング良く魚がフライを咥えた。

アワセのタイミングもバッチリ!

 フライは壊れてしまったね。

 それほど大きくはないが綺麗な虹鱒だ。

 しばし、魚体を眺める。

微かに小鳥の声が聞こえる。

これで春が完全に来ていると思えた。