風 薫る。

5月19日(火) 本流

 

 朝、自宅の玄関ドアを開けて外に出ると良い匂いがする。

風薫る五月。

木々の若葉は目一杯 葉を広げ、花々が咲き乱れる。

きっと、川は生命力で溢れているに違いない。

 

 アカシアの木に白い房が見え始めた。

アカシアの開花は私のフライフィッシングにおいて沈めるストリーマーの釣りの終わりを告げる標だ。

雨続きでダムの放水量は増加し、釣り自体が出来るかどうか微妙だけれど、ダメ元でフローティングラインとウエットフライも持って川へ向かう。

 

 車を降りるとやっぱり生命力をムンムン感じる。

川は増水しているが濁りに問題は無い。

ホッとする。

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 シングルハンドロッドにフローティングラインを通し、#8ウエットフライを結ぶ。

実績のあるポイントを流すも反応無し。

その後、二か所ポイントを流すも何もない。

増水のせいか?

一旦 川を上がっていつものタックル、いつものストリーマーで最初に流したポイントを再び流す。

 

 早速、パッツンというフライを喰い損ねた当たりが来る。

再度その付近にフライを通過させる。

 

 おっ来たよ。

一瞬、ブラウントラウトかと思うほど黄色味が強く鼻が曲がった魚体。

黒い斑点も少ない。

この川でこれまで見たことのないタイプの虹鱒だった。

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 夕方少し腰を下ろして花見。

今年もこの薫る風の中に身体をさらす事が出来て良かった。

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