とどまっていた虹鱒

4月9日(日) 本流

 

 前回の釣行で掛ける事が出来なかった あの魚はまだあそこに居るのだろうか。

今日はその魚が掛かった事を想定して久し振りに15フィートのロッドを自宅玄関に用意した。

 道具を車に積み込み始める。

待てよ。15フィートでやり取りするような魚が居るはずがないよな。

15フィートを一日中振り回していたら、身体を酷く疲労させてしまうだけだよ。

やっぱり、いつもの14フィートにしよう。

急遽、タックルを入れ替えて出発した。

 

 まだ4日しか経っていないのに、野はすでに薄黄緑になっていた。

これから一日一日、この色が濃くなっていくんだなあ~。

ヒバリが鳴いている。ウグイスも鳴いている。

 前夜の雨と雪代で増水している事は予想していた。

先ずはあの魚が居たポイントに入る。

 いつもは上流から少しづつラインを出して探って行くのだけれど、あの位置にあの魚が居るのでは? と思うと気がはやる。

数投もしないうちにランニングラインをめいっぱい出していた。

 

 来るか?どうだ?

着水したフライが流れに馴染んだ。

リトリーブ、1・2・3・4・5

流れに対してほぼ直角にしているロッドのティップが一定のリズムで揺れる。

6・7でティップが戻らない。

喰った!

ゆっくり、しかし強くアワセを入れた。

 

 なんて筋肉質で幅広なんだ!

こいつに会いたかったんだよ!

 この大きさで透明な尾びれ。

まさに本流育ちのワイルドな虹鱒だ。

 

 フッキングからいままでどのくらいの時間が経ったのだろう。

弱る前にそろそろこの魚をリリースしなければ。

 

 今日はこれでもう十分。 早めの昼休みとする。

 

 時々突風が来るので、防風スタイルでタープ張った。

 達成感満点の気分で食後のコーヒー。

 

 河原に一株のスイセンが黄色い花を咲かす。

こんな気分になれる事がまた有るのだろうか・・・

では。