初夏の幅広虹鱒

6月5日(土) 本流

 

 早めの昼食後、コーヒーカップを手に車に乗り込みクーラーのスイッチを入れて走り出す。

 

 いつもの川に向かう慣れた里山の道、前回走った時は弱々しかった稲の苗も今日はもう しっかり直立して初夏の日差しを存分に浴びている。

いつもこの辺りまで来ると鳴らしていたFMラジオを消すのが習慣だ。

釣りに来れた喜びをしっかりと感じたい。

 

 

この時期はもう真昼間にロッドを振っても良いことは起こらないと分かっているが、今日は北海道に持って行く高番手タックルのテストが目的なので釣果は全く考えていない。

 

 北海道の旅に持って行く渓流用のタックルは、7フィート6インチ #3の6ピースロッドとダブルテーパー#3が巻かれたリール一個。

本流、湖用は10フィート #6の5ピースロッドとモノコアシューティングラインが巻かれたリール一個と決めた。

今日はこの#6ロッドに先日購入して未だ使っていないOPST コマンドヘッド225グレイン(フローティング)が北海道での釣りに対応できるかどうか見極めることが目的である。

 

 タックルをセットし川へ入る。

まだ日が高いというのにモンカゲロウのダンが黄色く重そうな胴体をぶら下げながらパタパタと一生懸命羽ばたいている。

もうモンカゲの季節か。夏が来たな。

 

 先ずはフローティングティップ(50グレイン、10フィート)に 一応モンカゲをイメージした#8マーチブラウン(サーモンフック)を結ぶ。

んっ!  ティップが軽すぎる? メーカー推奨の組合せだが・・・

ボディーのパワーがティップで抜けてしまう。(私の技術不足)

キャスティングのタイミングを色々変えながら釣り下がる。

私的にはティップは12フィートくらいが良さそうだ。(自作しなければ)

 

 次は元の位置に戻ってS2(60グレイン、7.5フィート)。

さっきより少し良くなったけどまだ軽い。これは10フィート欲しいな。(これは別メーカーのティップを代用するかな)

 

 だいたいラインの性質は掴めた。

一応、このポイントは最後まで流すとする。

 

 いきなりドカン! リールが勢いよく逆転する。

ラージアーバーに巻かれたシューティングラインの残量を見る。

チョット焦る。

走りが止まり、水中で魚がこっちを向いた。

急いでライン回収。リールのドラグを少し強める。

 

 こいつはデカイ。

ロッドは根本から曲がり制御不能状態だ。

ロッドエンドを腰に当て、左手はグリップ上のロッドブランクに掛けてじわじわと寄せた。

シューティングラインとコマンドヘッドの接続部がトップガイドに入ったところでドラグを弱めて、テンションは指で調整する。

続いてS2ティップの接続部がに入る。

最後のリーダーの接続部は絶対トップガイドに入れてはならない。

 

 綱引きをここまでやってバレない場合は、ランディングも成功する可能性が高い。

今回は何故か捕る自信があった。

 

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 この時期で傷の無い綺麗な魚体。すばらしい!

(口の傷は私のせいです。ゴメン)

筋肉質でこんなに幅広。

魚体を掴んだ感触は太くずっしりしていた。

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 久しぶりにカメラを持つ手が震えた。

今日はこんなはずじゃなかったのに(笑)