6月18日(土) 二つの小渓流
朝霧が消える前に林道の起点に着いた。
天気予報ではかなり気温が上がるようなので薄着で来たが、やっぱり山の空気は冷たい。
思わず身震いする。
前回の釣行では林道終点に既に釣り人の車が停まっていて、上流の様子を見る事ができなかったので、今日は一番に入渓してこの渓流のポテンシャルを確かめたい。
林道終点へはやっぱり一番乗りだ。
手早く釣り支度をする。
さあ、行くぞ!
しかし・・・
ポイントを2、3 叩いてふと上流へ視線を移すと、大きくはないが岩盤の淵が見えた。
でも、淵の水深は身長ほどありそうだ。
岩盤は苔で滑りやすい。ちょうど中ほどまで行った所で、あと一歩が踏み出せない。
つま先を引っ掛け、体勢を維持できる所がないか右足を出しては探り、左足を出しては探る。
う~ん。
同行者がいれば勢いで行ってしまうのだけれど、一人きりでもし淵に落ちたら・・・
今日は午後も別の渓流に足を延ばす予定なので、ここで全身ずぶ濡れになっては・・・
岩盤にしがみ付いたまま数分間色々考えた後、残念だがここは撤退する事にした。
せっかく ここまで来たけれど、この渓流の上流は再び次の機会にチャレンジするとしよう。
一旦バイクまで戻り、缶コーヒーを空けてから前回の入渓ポイントまで下った。
前回は、岩魚と山女魚が交互にテンポ良く反応してくれたのに、今日はまだ気温が上がらないせいか反応が無い。
これが初めての釣行なら、こんな魚影が無い川はもう来ないと思うだろうな。
日が高くなり、気温が上昇してきた。
川底が照らされ、緑の流れが心身を洗う。
やっと山女魚が反応して来た。
今日は岩魚が姿を現さないね。
結局、3時間も釣って手の平サイズの山女魚3匹。
なんか拍子抜けだ。
一旦撤収してこの渓を後にする。
午後は落石で四輪車では通行が厳しい山向こうに流れ落ちる渓流だ。
車両の通行が皆無なこの荒れた林道で昼食とする。
林道を慎重に約1時間走り、目指す渓流に到着。
ここは以前の林道ツーリングで見つけた渓流で、魚影が濃いことは調査済みではあるけれど、なかなかサイズが出て来ない。
なので、このハイシーズンに一度入ってどんなものか確かめておきたかった。
午前の渓流より源流っぽい流れ。
クモの巣も出始めというところかな。
水の状態はまずまず。
いきなり良型!(26センチくらい)
こんな落ち込みで。
尺!
続々良型!
ここぞというポイントには必ず良型が付いている。
なので、狙った所にフライを落とせばキレイに岩魚がフライを咥える。
俺って、フライが上手くなったんじゃね~!(変わってません!)
次から次へと掛かる岩魚には、もうネットもメジャーもカメラも要らない状態になってしまった。
ふと我に返る。
これって虫の知らせというか、何かの暗示?
これ以上遡ると熊に襲われるとか、コケて骨折するとか、帰路で交通事故に遭うとか・・・
そう思うと急にこの爆釣が薄気味悪くなってきた。
何かが起こる前に引き返そう。
帰路は何事もなく帰宅。
しかし、こんな釣れ方は過去に経験がなかったな。
あの渓の上流部は、そっとしておこう。